シップを貼っても治らない

「肩・腰が痛くて湿布薬を貼っているんだけど良くならなくて・・。」

 

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この仕事をしているとよくそんな声が聞かれます。

 

そして、施術を始めようと患部を診てみると

意外に多くの方が湿布を貼ってくることに気が付きます。腰痛でシップ

特には女性が多く、高齢者に目につきます。

日本人は本当に湿布や薬が大好きなんだと感じますね。

 

この業務に携わりながら、市販の湿布の効能について

ちょっと疑問を感じている私が、長年の経験から感じることを

これからお話しさせていただきます。

 

ところで、湿布薬は日本にしかないって知っていましたか?

 

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「シップ」ってもしかしたら英語と思っていた方もいるでしょう。

シップを英語に訳するなら「poultice」。

発音は「トーテス」?に聞こえました。

ただよく調べてみると、アメリカではこういうシップの存在を知らない人が多くいるため、

これで通じることは少なく、もっと長い会話的になるそうですよ。(笑)

 

ということで、いろいろ調べてみましたが湿布というのは欧米には無く、

日本で生まれて日本で育んだようなんです。

意外だったでしょう。

 

薬の開発では、日本よりも先進国の欧米ですら

湿布なんか作っていないんですね。

 

日本ではこんなにも国民的に認知されている薬なのに

なぜ欧米の人は使わないのか・・?

たぶん文化の違いと、また日本から輸出はしてみたもの

特段人気がなかったのではないかと思いますね。

 

じゃなぜ日本でこんなに湿布は人気があるの・・?

まず湿布の歴史から考えたいと思います。

簡単に調べてみましたが、「ハップ」という言葉がオランダ語にあるそうでして、

古代ギリシャ時代には、生薬を煎じた泥状のようなものを布に塗り

患部に貼っていたそうなんです。

確かに「ハップ剤」?なんて言葉は今でもどこかで聞いたことがあるかもしれませんね。

 

それが長い年月をついやして、徳川幕府時代に貿易により日本に入ってきたようです。

薬なんて高嶺の花で飲めない時代に、ハップという生薬をこね混ぜ合わせたもの

庶民には簡単であるため徐々に定着していったのではないでしょうか。

それが日本人の意識に定着して、痛いところにはまず「湿布薬を貼る!」

と固定感ができたのでしょう。

 

近年に入り、今度はそれを製薬会社が商品化し、昔からのキャッチフレーズで、

「肩こり・腰痛にサロンパス!」「痛みにはトクホン!」

などと何気なくテレビで見ているものですからもう私たちの潜在意識に

しっかり入り込んでいるんですよね。(笑)

 

面白い話があります・・。

当院にいらっしゃる80歳以上の患者さんは、湿布という言葉ではなく

「トクホン」!「サロンパス」サロンパス!という言葉が出てきますよ。トクホン

そのくらい高齢者にも浸透しているのですね。

またもう一つ、たまに「あんまこ」なんていう人も出てきます。??

「あんまこ」ってどう書くのかわかりませんけど。(笑)

 

ちなみに当院では市販の湿布ではなくこんな湿布を使っています。

 

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それは泥シップと言われるものです。

このシップは、自家製で先代から続き長年使用しています。

当院では主に外傷の場合使用します。

例えば捻挫や急性的な肉離れなどです。

この湿布は、冷却効果が高く、急性炎症に非常に高い効果を発揮します。

 

たまに小・中学生が足首を捻挫して来院してきますが、

学校の保健室から市販の湿布をもらい貼ってくるんですね。

その湿布をはがして見ると、もう熱を吸収して熱くなってしまい

患部が腫れ上がっています。

これは火に油を注いでいるようなものですね。(笑)

 

このような場合は、まず冷水で冷やすか、

氷で軽くアイスマッサージをするのが一番いい方法です。

外傷の場合、市販の消炎鎮痛剤を含む湿布は絶対貼ってはいけませんよ。

 

あっ!そういえば先ほどの「あんまこ」というのはもしかしたら

この泥湿布の原型なのかもしれませんね。

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湿布薬という権威性がこんなところにも・・・。

病院に行けば必ず多くの湿布薬を渡されます。

それはなぜだと思いですか・・・?

 

病院に行き、「肩が痛い」「腰が痛い」と訴えれば

まずレントゲンを撮って検査をしますよね。

そこで問題がなければ「未病」といわれ

特別問題視されません。

 

何もなければ当然処置もありませんので

医療のガイドラインに沿って薬だけ渡され

後は「様子を見てください。」となるはずです。

 

ですから患者さんは、

病院で渡される薬ですから疑うことなくありがたく貼り続けますよね。(笑)

結果的には湿布や薬に丸投げというわけです。

藤田接骨院 シップ

 

 じゃぁ湿布って何なの・・・?

冒頭でもお話ししたように、患者さんから

「病院でもらった湿布なのに痛みが治らなくて・・。」

こんな答えがよく聞かされます。

 

ズバリ言います。

肩こり・腰痛・膝の痛み・神経痛などは湿布を貼ってもよくなりません。

もしよくなったというならば、それはシップでよくなったのではなく

精神的な気持ちハートです。

逆にますます悪くなる場合もありますから注意です。

 

「じゃなぜ病院でこんなに湿布薬を渡すのよ!!」

と思われるでしょう。

病院だってそれは営業ですからね。シップ

たとえ未病でもお薬はガイドラインに沿ってしっかり渡します。

 

ところでまた、そのバックアップには製薬会社があります。

先ほど「日本人が湿布を好きなわけ」でもふれたように

どんどん売れる商品を開発し販売していきます。

 

市販の湿布薬を貼り続けるとこんなことにもなります。

まず絶対に貼ってはいけないところ。

まず一つ、それは頚部、首の後ろです。

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当院にはよく首の寝違えで来院する患者さんがいます。

もう首が左右に曲がらなく、ロボットみたいな感じですよね。(笑)

 

そうなれば大体きまって首に湿布を貼ってきますね。

それも整形外科で受診した後で、湿布を渡されて来たというのです。

 

ところが、「はじめよりもだんだん痛みがひどくなってきた。」

というのです。

それもそのはず、湿布なんか貼るからなのです。

 

頚部というのは、大切な複数の中枢神経が集まっています。

 

私の経験からすると、どうやら湿布に含まれている

消炎鎮痛剤が中枢神経を刺激させているようです。

 

それは血管を収縮させるため筋肉を硬くさせているんですね。

 

当院ではすべて手技療法(指圧マッサージ)で直接幹部を触りますから

具体的に分かります。

 

また同じように手足のしびれなどがある場合、背中や腰に貼るのも逆効果ですよ。

やはりこれも薬剤成分が神経を刺激させ、神経が過敏になるようです。

 

じゃぁどうすればいいのよ!!

当院ではまず温めます。

ホットパックという器具で気持ちのよい温かさを保ちながら

首に巻いたり腰や臀部にあてます。

人間の身体は基本的に冷やしてはいけないものなのです。

 

首の寝違えや背筋痛も、寒い冬場よりも暑い夏場に多いのですよ。

それは、冬は寒いから体を温めていますよね。

逆に夏場は暑いから、当然身体をエアコンなどで冷まします。

ここに原因があるんです。

 

つまり、急に体を冷やせば血管が収縮し、血管

筋肉が硬まり代謝が悪くなるからなのです。

 

ですから当院では、まず患部を温めてから次に

筋肉・神経を指圧療法によって和らげます。

そうすることにより驚くほどよくなります。

湿布の冷っとする、またスースーする清涼感とは真逆ですよね。

 

湿布薬に対する結論を申し上げます。

結局のところ私の考えは、湿布は気休めです。

ただし、気休めも必要です。

何もしないよりは、何かをして気持ちを安心させる効果もありかな・・・?

しかし、気休めになればいいですが逆効果になっては元もこうもありませんね。

 

ある薬剤師が書いたベストセラーの著書「薬が病気をつくる」という本に本

こんなことが書いてありました。

「湿布のような貼薬は経皮薬と呼ばれ、使用量が細かくないものですから

貼り続ければやがて成分が体内に入り血流にのって身体中を巡る。

それが蓄積され思わぬ不調を招くこともある。」 と・・・。

 

確かに当院に来る慢性的な痛みを持つ患者さんの中で、

「夜中に腰から脚にかけてしびれて眠れないときもある。」

という人が何人かいますが、決まって病院からもらってきた湿布薬を

いつもべたべた貼っていますね。

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以上長々と好き勝手に書きましたが、私も若いころは

湿布を貼るのは常識と考え患者さんにべたべた貼っていました。

患者さんも貼ってもらい安心していたかのように思います。

今考えれば、湿布に頼っていたのは

まだ経験が浅はかな自分に対する自信の無さでした。うーん

その私ももちろんまだまだ未熟ですが、少しでも痛みでお悩みの

患者さんにお役に立てますようこれからも精進してまいります。

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